TOMIさんの舞台挨拶レポート6「バッテリー」

 去年の夏、県内各地で撮影された話題の映画「バッテリー」の試写会が2月28日夜に開催され、上映前にはゲストの皆さんの舞台挨拶が行われましたので、ご紹介したいと思います。会場は『TOHOシネマズ岡南』で最も大きい2番スクリーン(約440席)。岡田プロデューサー、滝田洋二郎監督、林遣都くん(原田巧役)、山田健太くん(永倉豪役)の順に登場されました。まずは全員からのご挨拶。監督は、ちょうど1年前にロケハンで岡山を訪れた事などを話されます。主役の林くんは服装もお洒落で、女の子と間違えてしまいそうな美少年。また、飾らないジーパン姿の山田くんは、映画の役柄同様ずっとニコニコしています。2人とも、こういう人前に立つ事には慣れていなくて、たどたどしく初々しい挨拶でしたが、好感のもてるものでした。山田くんはまだ中学3年生。挨拶の最初で観客に向かって、「皆さん、こんばんは〜!」と発し、返ってきた声が小さかったので、再度「こんばんは〜!」。今度は客席からもはっきりとした「こんばんは〜」が。こんな風に盛り上げてくれたのですが、肝心の挨拶になると途中で話がまとまらなくなり、苦笑い。微笑ましかったです。  続いて、司会役:山陽放送の中村恵美アナウンサーがインタビューを。「今回の試写会には3千通を超える応募があり、ここに来られた皆さんはとても幸運な方」との前置きの後、監督からお話をお伺いします。映画監督は話術の巧みな方が多く、滝田監督も例外ではありません。あれこれ語って下さいましたが、印象的だったのは「野球王国・岡山の皆さんにも楽しんでもらえる映画になったと思います」との言葉でした。「”直球、ストライク!”の映画ですものね」と、既に映画を観ている中村アナが相槌を。林くんは、「演技をするのが初めてだったので、監督の指示に従うのに精一杯でした」。

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「バッテリー」舞台挨拶レポート(続1)

 山田くんは神奈川県に住んでおり、地方の言葉に憧れていたのだとか。「この映画で岡山弁が喋れて嬉しかったです」。クランクインして1週間もすると、現場では普通に岡山弁が飛び交っていたそう。かなりマスターしたという山田くんですが、試しに中村アナが簡単な岡山弁で質問してみると、え?と硬直。「まだまだ修行が足りないみたいですね」(笑)。彼は中学でもずっと野球部に入っていました。ポジションは、映画と同じくキャッチャー。「5年前からずっとバッテリーを組んでいた同級生がいるんですけど、去年の夏が中学最後のシーズンだったので、そいつで始まり、そいつで終るつもりにしていたら、オーディションに合格し・・・。映画を取るか野球を取るかで悩んで、1度は映画出演を辞退したんです。すると監督が、”映画に賭けてくれ、決して後悔させないから”と熱くプロポーズしてくれまして。━━落ちました(笑)。映画をやっていなかったら、俳優と野球、どちらも中途半端な夢で終っていたと思います。やって良かったです!」。  最後に、締めの挨拶を皆さんから貰っていきますが、ここでも山田くん! 「”岡山、最高じゃ〜!”の掛け声で、皆さんと一緒に締めくくりたいと思います」右手を突き上げながら、そう提案するのです。1度目は、「こんばんは〜」の時と同じく、客席からはあまり反応なし。「あれれ」とがっくりきた山田くんは、くじけずに「もう1度! 手を突き上げながらですよ〜。僕もマイクなしで言いますから、皆さんも大きな声でお願いしま〜す。岡山、最高じゃ〜!」。今度は、声も揃いほとんど全員の手が上ったのでした。  こうして20分近く続いた舞台挨拶も終了。退場する皆さんを盛大な拍手でお送りします。出口の所で、まず山田くんが立ち止まりきちんと客席に一礼。全員がそれにならいます。”この映画を応援したい!”心からそういう気持ちにさせてくれた舞台挨拶でした。

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「バッテリー」舞台挨拶レポート(続2)

 けれど、映画がそれにふさわしい内容でなければ、エールを送り続けることは出来ません。さて、「バッテリー」は・・・・。上映時間の1時間59分が、あっという間。詳しい感想の紹介は控えますが、岡山から発信できるのを全国に誇りたい、素晴らしい作品になっていました。  その証拠に━━。試写会の終了時は、帰りを急ぐ人が多く、エンドクレジットが流れ始めたら次々と席を立っていくのが普通の光景でしょう。なのに、昨夜はそうする人が全くいなかったのです。十二分に満足して、たぶん皆さんがスクリーンに拍手を送りたい気持ちになっていたのでは。けれど、普段そういう行為に慣れていない岡山の観客たちは、エンドクレジットが終りきっても、”どこからか拍手が起こらないかな”と思うばかりで口火を切る人がいません。”ここは一丁、映画祭で拍手慣れしている私が!”と、3千通を超える応募から試写会に招待してくれたお礼も込めて、思い切って手を叩き始めたのでした。すぐに会場全体からも拍手が。  昨年のベストワン作品「フラガール」は、上映後思い切り拍手を送れる『湯布院映画祭』で観られたのを心から感謝したい傑作でしたが、「バッテリー」も試写会で観られ、拍手できたのが嬉しくてたまらない作品でした(さすがに一般公開されてから上映後に拍手するのは難しいものがありますので)。このシネコンは上映終了後すぐには明るくならず、数秒は映画の余韻に浸れるよう暗さが保たれています。その間があったからこそ私も拍手することが出来たのだと、ひと言補足しておきましょう。  長年の映画ファンとして、素晴らしい作品に出合えたお礼は、1人でも多くの人に良さを知ってもらうこと。3月10日の公開に向け、あちこちで本作について書き込んでいくつもりです。ヒットして、続編を作ってもらうためにも。