TOMIさんの舞台挨拶レポート3(沢尻エリカ編)

  「パッチギ!」のヒロイン・キョンジャ役で一気に注目の的になった感のある 沢尻エリカさんが、同作の前に出演し映画デビューを果たした作品「問題のない私たち」が 平成17年2月5日(土)から『シネマ・クレール丸の内』で公開となり、 初日にわざわざ舞台挨拶のため来館してくれましたので、先日の井筒監督の 「パッチギ!」舞台挨拶レポートに引き続き、今回もその模様を皆さんにお伝えしようと 思います。
 受付開始は、13時15分から。実は、この日は倉敷でも映画関係の別の イベントが開催されるのです。映画美術の第一人者・木村威夫氏をゲストに お迎えしての『第3回倉敷映画会議』(14時〜17時)がそれ。開始時間に間に合うよう、 舞台挨拶の受付をすぐに済ませて岡山駅から倉敷に急行したかったため、私は12時前に 『クレール』へ入館。 どれくらいの人数が並ぶか全く予想がつきませんでしたが、列の5番目を確保でき、 ひと安心です。受付開始時間には、20〜30名ぐらいが並んでいたでしょうか。 東京から遠い当地・岡山に、俳優が舞台挨拶にやって来てくれるのは本当に稀。 エリカさんの舞台挨拶をあまり広く告知しすぎて早くから行列が出来てしまうと 望む席が取れなくなる懸念はあったのですが、それよりも、観客が少ししか集まらないと 舞台挨拶が盛り上がらず、せっかく来て下さるエリカさんにも申し訳ないので、 私は本掲示板の井筒監督の舞台挨拶レポートの中でも本イベントについてそれなりに 強調して記したのでした。
 少しは役に立ってくれたのかどうか...。 映画上映後の退出時に後方の席も確認してみた所、客席は6〜7割程度の入りでした。 もっとも井筒監督の舞台挨拶の時も超満員とはならず僅かに空きがありましたから、 まずまずの席の埋まり具合だったのでは...。
 無事『倉敷映画会議』に参加してUターンしてきた後、開場予定時刻の18時10分より何分か 遅れで入場が開始されます。「問題のない私たち」の上映期間中は、沢尻エリカさんを 含む本作の出演者たちのサイン入りポスターが毎日3〜4名にプレゼントされる事になっており、 抽選箱の三角クジを1枚ずつ取ってから館内へ。またポストカードが、 先着順プレゼントとして配られます。いつもは最後列が指定席の私ですが、 この日ばかりはうんと前へ。とはいえ最前列では映画が観づらいので、 前から4列目のセンターを選択。席についてから開いた三角クジには...、 当然のごとく当りマークはついていませんでした。
 ところで開場前のロビーでは、階段がベルトで封鎖され 【本日は2階ロビーのご利用は出来ません】との案内板が出されていました。 ゲストのエリカさんの控え室にされていたのでしょう。 すぐ上の階に彼女がいるのかと思うと、ちょっとドキドキしてしまいます。
 こういうイベントの時、私は大抵メモを取りながらお話を拝聴します。 けれど今回は端から、そうするつもりはありませんでした。せっかく旬の女優さんの 舞台挨拶を近距離で見られるのですから、少しの間でも彼女から目を離したくなくて。 そのため、レポートの再現度がいつもより劣るかもしれませんが、どうにかかなりの部分を 記憶できていたようですので、そこそこには詳しくお伝え出来ると思います。

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「パッチギ!」舞台挨拶レポート(続1)

 定刻の18時30分。まずは、進行役のクレールの女性スタッフが舞台に上がり、 前置きもそこそこに沢尻さんを招じ入れます。大きな拍手の中、登壇したエリカさんの服装は、 キャミソールにカーディガンを羽織り、下はジーパンとその上にスカート風のものを身につけた 18歳という年相応の若々しいファッション。写真撮影や録音は禁止です。 まず彼女の口からは型どおりの挨拶の言葉が発せられますが、緊張しているせいもあってか、 話し方といい顔の表情といい、かなり大人っぽい感じです。 「今日は遠方からのお客様も参加されています。県外から来られた方、 いらっしゃいますでしょうか?」とのスタッフからの問いかけに応じて挙手した2列目の男性客は、 何と京都から来たのだとか。
 インタビュー形式にて進行していきます。最初は、もちろん「問題のない私たち」 (森岡利行監督)について。舞台挨拶後に鑑賞した映画は、学校での”いじめ”を赤裸々に 描いた見ごたえのある問題作でした。生徒役を演じるのは、エリカさん以外はほとんどが 初めて見るような若手の女優たち。皆、体当りで役になりきっており、劇中の世界に ぐいぐいと引きずり込まれました。深刻な描写の中、ほっとひと息つける笑いのシーンの アクセントが見事。私にとってベスト・テン級の作品となりました。さて、沢尻さんが 扮するのは、物語を大きく動かしていく転校生のマキ(麻綺)役。 「難しい役でしたが、演じてみていかがでした?」との問いに、「はっきり言って、 最初はイヤな性格に見えると思うんですが、自分としてはマキが理解できるし、 嫌いではなかったです」。撮影現場は同年代の女の子ばかりで、とてもいい雰囲気だったとか。 「誰かをいじめるシーンでは、カットがかかるとすぐ、いじめた側が相手に 『ごめんね、ごめんね』と謝りまくってました」。ロケ場所探しも難航したのだそう。 結局、都内の廃校を平日の9時から17時まで限定ということで借り受けます。 「まるで通学しているような感じでした」。映画の撮影とは思えぬ、 普段より規則正しい生活だったようです。
「映画大好きです」と語ったエリカさん。この日現在で「パッチギ!」は まだ『クレール石関』にて上映中。井筒監督の演出について訊いてみると、 「監督は、私たちが表面だけで演技するのが嫌いなんですよね。気持ちでなりきって やりました。最初はテレビの印象で恐い人だと思っていて現場に行くのが嫌だったん ですけど、女の子にはとても優しく接してもらいました。でも、男の子たちは ボロカスに怒鳴られてましたね(笑)」。一方の森岡監督は、「とても丁寧に 演技指導してくれました」。
 客席からの質問タイムも用意されていました。最初に手を上げた人は、「パッチギ!」の エリカさんを観て、「初恋のきた道」のチャン・ツィイーを連想した、と私と同じ 感想を述べられていました。周囲の観客も何人か頷いていたようです。「好きな女優さんや 目標とする女優さんがいましたら、教えて下さい」---エリカさんは具体的な名前を挙げ ませんでした。「役作りして自分が思い描いたイメージに近づけるようにと心掛けています」。 もしかして、外見からは想像も出来ないぐらいの”役者魂”を内に秘めている人 なのかもしれません。ただ、こんな風にも語っていました。スタッフが「デビュー してからしばらくはモデルやグラビアアイドルとしての活動が多かったと思うのですが、 公開待機中の映画も2〜3本あり、また出演の決まっている映画やドラマも たくさん待ち構えていますから、今後は女優業が中心になっていきそうですね。 4月からはTBS系の『日曜劇場』にも出演されますし」と水を向けたのですが、 彼女は「女優ももちろん頑張りますけど、モデルだったりグラビアだったり 色んな分野からみんなに何かを伝えていきたいんです」と、”女優”だと 限定した呼ばれ方はしたくないとの考えを表明。様々な角度から自分を 表現していくつもりなのでしょう。賛成です。女優以外のフィールドで吸収した栄養が、 演技にどう生かされていくのか楽しみに見守りたいものです。
 でも「歌手では安室ちゃんが大好き」と具体名が挙げられました。ここだけの話(?) ですが、エリカさんは意外にも歌だけは苦手なのだそう。 「歌手デビューのお話もあるのでは?」と尋ねられると、即座に否定したのでした。 女優と違って、歌は自分がその中で競っていかなければならない分野ではないので、 憧れとして安室ちゃんの名前はためらいなく出したのでしょうか。
 2人目はまず映画の感想を喋った後、テレビゲームの名前を挙げ「あれ、 まだやり続けてるんですか?」。答えるエリカちゃんの声は、安室ちゃんがらみの話題の時と 同様、年相応の可愛いトーンに変わります。「はい、ずっとやってます。実は私、 ゲーマーなんです。普段は本当に普通の女の子で、マンガ喫茶にも行くんですよ」。 「他にありませんでしょうか? 沢尻さんと直接話せるこんな機会はもう2度と ないかもしれませんので、どうぞ質問して下さい」---その通りなのですが、 質問タイムがあるなんて予期していなかったので、とっさには思いつかず挙手する ことが出来ませんでした。訊けばよかったと後から浮かんだのが、 どういういきさつでわざわざ岡山まで舞台挨拶に来てくれる事になったのかという疑問。 このためだけに東京から来てくれたのでしょうか?
 最後に「これからも色々と皆さんに何かを伝えていく存在であり続けたい」との 姿勢を語ってくれ、約20分間に渡る舞台挨拶は終了の時間となりました。もちろん 盛大な拍手でお見送りです。途中、声がかすれた時もありましたが、風邪などでなく、 単に緊張等からそうなっただけなら、いいのですが。退場時には出口の所で客席を振り返り、 再度きちんと一礼。何ていい子なんだろう。思わず心の中で「エリカちゃ〜ん!」と 叫びながら、もう一度強く手を叩いたのでした。予想以上にたっぷりとお話を聴け、 大満足の舞台挨拶となりました。
 そして、満ち足りた気分は、 このあと映画を観終った時にも私を包み込んでくれたのでした。

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「パッチギ!」舞台挨拶レポート(続2)

「問題のない私たち」(森岡利行監督)は、想像以上の出来映え!
2004年の日本映画を語る上で見逃せない作品だと言っていいでしょう。 エリカさんの演じるマキは、いじめの被害者にも加害者にもなります。 オーディションに挑んでの映画初出演でこういう作品を選ぶとは、かなり根性すわってます。 舞台挨拶の進行役スタッフも2度3度と口にしていましたが、 ”小悪魔的な女の子”をハマリ役とでも言うべき好演。先に「パッチギ!」を 観ておいて良かった。「問題の〜」の後だったら、キョンジャ(「パッチギ!」での役名)が もっと裏のある人物に見えてしまい、あれほど感動できなかった気がします。
 残念ながら本作は、確か全国でも僅か数館でしか公開されていないのです。 こんなに見応えのある秀作なのに。エリカさん以外にも、主演の黒川芽以ちゃんを 始め生徒役の若手女優たちは、全員が役をしっかりと自分のものにしていました。 同じ作品を創り上げた仲間の彼女たちを一人でも多くの人にスクリーンで観てもらいたくて、 エリカさんは遠路岡山まで来てくれたのかもしれません。「問題のない私たち」 は”沢尻エリカの映画デビュー作”として、年が経つほど重要度が増していくことでしょう。  いつの日か彼女をもっと映画にのめり込ませる作品に出会い、 「”映画女優”と呼ばれたい」と言うようになってくれれば...。 映画ファンとしては、女優中心で活躍してほしいとつい願ってしまうのです。
 3作目がますます楽しみになってきました。今度はどんな演技を、 どんな”女優魂”を見せてくれるのでしょうか。その作品は、4月に公開される 「阿修羅城の瞳」。私が今年初参加する『ゆうばり映画祭』のクロージング作として 平成17年2月27日(日)に上映され、ひと足早く鑑賞できますので、 同映画祭レポートの中で重点的に報告させてもらおうと考えています。
 本レポートは、これで終わりです。沢尻エリカさん、数年後には、 わざわざ岡山まで舞台挨拶に来てくれた事があるのが信じられないぐらいの 大女優になって下さい! エリカさんと井筒監督の両舞台挨拶の模様が、『シネマ・クレール』のHP に写真入りで掲載されていますので、興味のある方、覗いてみて下さい。 http://www.cinemaclair.co.jp/correspon/gallery/gallery.html http://www.cinemaclair.co.jp/event/event.html