TOMIさんのヨコハマ映画祭レポート'10(第31回)(1)

 10年以上前から “ いつかは ” と願っていた 『ヨコハマ映画祭』 が2月7日(日)に開催され、初参加してきました。 【青春18きっぷ】 が使用できる期間でもないので、今回はさすがに新幹線での日帰りです(1週間前までに往復の便を指定して購入すれば、通常料金より 5500円以上安い 26000円になる早得割引きっぷにて)。 毎年一つずつでも、どこかの映画祭への初参加を実現していくのが、私のささやかな、けれど大きな目標であり、今年の分は早々と達成することが出来ました。 心配していた、“ 来年も来たい!” 病への感染は、やはり防げませんでしたが(笑)。

会場は、横浜球場や中華街にも近い関内ホール。 まず、映画祭が選出したベストテンと個人賞をお知らせしておきましょう。
≪ベストテン≫
第1位  「ディア・ドクター」
第2位  「ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜」
第3位  「愛のむきだし」
第4位  「のんちゃんのり弁」
第5位  「空気人形」
第6位  「風が強く吹いている」
第7位  「沈まぬ太陽」
第8位  「サマーウォーズ」
第9位  「劔岳 点の記」
第10位   「大阪ハムレット」

≪個 人 賞≫
◆作 品 賞  「ディア・ドクター」
◆監 督 賞  緒方明 (「のんちゃんのり弁」)
◆新人監督賞  大森寿美男 (「風が強く吹いている」)
          鈴木卓爾 (「私は猫ストーカー」)
◆脚 本 賞  西川美和 (「ディア・ドクター」)
◆撮 影 賞  柳島克己 (「ディア・ドクター」)
◆主演男優賞 堺雅人 (「クヒオ大佐」「南極料理人」)
◆主演女優賞 小西真奈美 (「のんちゃんのり弁」)
◆助演男優賞 岡田義徳 (「のんちゃんのり弁」等)
          松重豊 (「ディア・ドクター」)
◆助演女優賞  安藤サクラ (「愛のむきだし」等)
◆最優秀新人賞 満島ひかり (「愛のむきだし」等)
           岡田将生 (「重力ピエロ」等)
           町田マリー (「美代子阿佐ヶ谷気分」)
◆審査員特別賞  「風が強く吹いている」のスタッフ・キャスト
◆特別大賞  八千草薫 (2009年も「ディア・ドクター」「ガマの油」などで大活躍した日本映画界の恩人である大女優に、映画ファンから限りない愛をこめて)

当日のプログラムは、下記の通り。
 10:30 開場
 11:00 上映「のんちゃんのり弁」
 13:15 最新作PRコーナー
       *予告編上映と舞台挨拶
 14:00 個人賞表彰式
       *各賞受賞者のほかゲスト多数予定
 15:55 上映「風が強く吹いている」
 18:20 上映「ディア・ドクター」
 20:30 終演予定

ヨコハマ映画祭HP

 開催されるのは、毎年2月上旬の日曜日。 目玉は、本映画祭が選考した各賞の表彰式であり、東京からは目と鼻の先なので受賞者のほとんどが出席するため、前売りチケット(今回は2500円)は発売当日にソールドアウトするのが常。 私は [チケットぴあ] のプレリザーブに申し込み、抽選の結果、うまく当選したので、手数料等が600円ぐらいプラスされたものの、発売当日にプレイガイドに並ぶことなく入手できたのでした。

 本映画祭は確か6〜7年前までは、『湯布院映画祭』 同様に日本映画の新作が特別試写されていたのです。 だからこそ行きたかったのですが、近年は、今回のようにベストテンに入ったものの中から各賞に絡んだ作品が上映されるようになり、“ 行きたい!” 熱も少し下火に。 表彰式だけを見るために高い新幹線代を払ってまで、なかなか足を運べませんからね。 それが今年、初参加に踏み切ったのは━━。 昨年 『高崎映画祭』 に初参加し、表彰式だけでも十分楽しめることが分ったのと、もう一つ、大きなきっかけが。 これに関しては、後述することにします。

 さて、何日かかるでしょうか。 私にとっては、実際に参加するのと同じぐらいの楽しみ、『映画祭レポ』 の始まりです。

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ヨコハマ映画祭レポート'10(2)

 7日朝は、岡山駅6時08分発の東京行き始発新幹線に乗車。 米原付近で積雪による徐行運転をしたため、新横浜駅到着は約15分遅れの9時半に。 来る途中では、雲一つない青空をバックにした富士山をじっくり・・・といっても1〜2分ですが眺めることが出来ました。 こんなにくっきり見えたのは、初めてかも。 が、山頂辺りが一面の積雪という感じでなく、まだらになっていたのが景観的にちょっと残念。 山岳映画の 「劔岳 点の記」 を思い出したりなど(笑)。
 横浜線に乗り換えて、石川町駅まで20分ほど。 駅前の吉野家に入ります。 この時間帯には食事のできる店がまだ開いてないだろうから、探し回って時間がかかる事のないようネットで検索しておいたのです。 で、早めの昼食をさっさと済ませ、一つ手前の関内駅まで徒歩で戻ります。 横浜球場のすぐ横を通って、10分弱。 それから、ここを基点に、映画祭の会場である関内ホールをめざします。

 5分ほどで到着。 建物の周りを入場待ちの列がぐるりと1周しているので、少し離れた所からでもすぐ分りました。 開場時刻である10時30分より5分ぐらい前ですが、列はもう動き出しています。 最後尾についた私の後にも、続々と人が。 数分で、館内へ。 映画祭のパンフレットや、本日の上映作品のパンフレット等が販売されていますが、全席自由席なので、まず座席の確保です。 1人分なら前の方にも空きを見つけられるかなと思ったものの、どうも無理みたいなので、後方へ。 結局、一番後ろから5〜6列目の右端から2番目に腰を下ろしたのでした。 席にバッグを置いて、ロビーへ。 2階席もあるので上ってみます。 ここはまだ空いていますが、ステージがかなり小さい感じ。 さっきの席の方がましです。 映画祭のパンフを数部買い、また、入場の際に渡してくれる本映画祭の大判チラシや各種チラシ類の束も、係員に頼んでパンフと同じ数だけ貰います。 各地の映画仲間や、映画関係でお世話になっている方たちに送るためのもの。  ロビーのボードに新作映画のポスターが貼られてあるのを発見。 そばへ行かずにはいられません(笑)。 「武士道シックスティーン」 「スイートリトルライズ」 「RAILWAYS」 「必死剣鳥刺し」 「孤高のメス」。 “ この内の2本には、ファンである池脇千鶴ちゃんが出演しているのか。 楽しみ!” などと軽く頷いたりしながら、しばし見入ったのでした。 当ホールの定員表示も目につき、1,120人なのを確認。 1階部分は848席です。 

 席に戻ります。 シネコンの座席ほどゆったりとはしていませんが、私のように普通体型の者なら窮屈な感じはしません。 昨年3月に初参加した高崎映画祭の会場の、ほとんど身動きできないようなあの狭さに比べれば、楽です(笑)。 11時少し前となり、舞台に女性の司会者が登場、「おはようございます。 朝早くからおいで頂き、ありがとうございます。 映画祭は昨年30周年を迎え、今年は新たなスタートを切ることとなりました。 宜しくお願い致します。 多数の映画人が参加してくれています。 観客参加型のイベントとして盛り上げていきましょう!」

 照明が落とされ、「のんちゃんのり弁」 の上映が始まります。 昨年11月に観たばかりなので、前半はところどころ居眠りしてしまいましたが、岸部一徳さんが登場する中盤以降は、再見にも関わらずぐいぐい惹き込まれました。 それに、客席をほぼ埋めた観客(チケットは完売)の多くは初鑑賞のようで、リアクションが良くって。 周りが大きな声で笑うと、つい釣られてしまいます。 小巻(小西真奈美)が 「ととや」(岸部さんがやっている料理の旨い居酒屋)で、離婚しようとしているダメ亭主に向って椅子を投げつける場面では、私の隣席の女性はホラー映画にびっくりしたかのように体をのけぞらせていました(笑)。
 昨年の初見時は、小西さんの演技が何箇所か大袈裟すぎる点にちょっと引っ掛かったものですが、今回は観ながら “ そういえば、コミックスの映画化だった ” と気づき、“ なら、許容範囲だな ” と思い直したのでした。 ヒロインを演じた小西真奈美さんは、本作で主演女優賞を受賞しています。 
 上映後は、25分間の休憩。 ちょうどお昼時なので、ロビーで多くの人が持参した軽食を広げていました。 そうか、長時間のイベントなので、当然こういう時間が用意されているんですね。 私は、夜までもつようにしっかりと牛丼を食べてきたので大丈夫。
 13時15分からは、最新作のPRコーナー。 これは、東京から近い横浜の映画祭ならではでしょう。 色んな映画人が、これから公開予定の自作の宣伝にやって来てくれるのです。 まずは予告編が10本ほど流され、続いて司会の襟川クロさんが舞台にご登場。 アシスタントというか、相方的な男性も一緒です。 彼女は、『キネマ旬報』 等ではベスト・テンの選考委員を務められていますが、ここではそちらにはタッチせず、司会に徹しておられるとの事。 「さあ、始まりました。独特の世界が続いて、映画祭も31回目。 このコーナーは、監督や関係者に来て頂いてのプロモーションがご覧になれます。 では、まず、この方から。 ヨコハマ映画祭が生んだプリンス...というかキングですか、阪本順治監督!」

ヨコハマ映画祭レポート'10(3)

 大袈裟な紹介を受けて、本映画祭が始まって間なしの頃に実行委員を務めていた阪本監督が左の袖から出てこられます。たぶん苦笑しながら。 小さい双眼鏡を持参していたものの、まだ使う必要を感じなかったので、はっきりとは分りませんが(笑)。 私が 『湯布院映画祭』 に初参加した2000年以来となる、生の阪本監督です。 あの時はゲストと話すことなど端から頭になかったので、直接の会話はなし。 以来、ご縁がなくて。 近い内、また 『湯布院』 においで頂きたいもの。
 阪本監督 「この10年、受賞することなく、プロモーションで来るだけ(笑)」。 予告編で流された 「座頭市 THE LAST」 について、「本来はリメイクしちゃいけない題材ですよね。 慎吾くん(主演の香取慎吾)がやると言うので、引き受けました」。 「ビッグ・パジェット(大作)!」 とクロさん。 監督 「まあ、いつもと同じスタッフなんですけど。 観客は、予算に関係なく観ているので、その期待には応えたいですね。 もう完成しまして、僕の目から見たら傑作です(笑)。 痛みを感じてもらえるような━━。 (北野監督版のような)茶髪じゃないです(笑)」。 クロ 「来年は、どの賞かに入りますように」。 監督 「今、予約しておきますか。 ありがとうございます(笑)」。

 続いては、この辺りでは色んな話題になっているのか、「桃色のジャンヌ・ダルク」 という映画の、プロモーションというか主演女優のパフォーマンス等が行なわれ、次に、ロビーにポスターも貼ってあった 「スイートリトルライズ」 の矢崎仁司監督がご登場。 茶色のボルサリーノ風の帽子にサングラスをかけた、たぶんいつもの出で立ちです。 クロ 「さあ、売り込みましょう!」。 監督 「いい映画です(笑)」。 原作者の江國香織さんが褒めているのだそう。 監督 「今まで見た事がないぐらい中谷さん(中谷美紀)が美しいです」。 クロ 「池脇千鶴ちゃんも、今までになかったキャラクターで。 すごい静かで豊か、でも、ほろ苦い映画」。 監督 「江國さんから “ なぜ私の事をこんなに知ってるの?!” と言われました。 来年、ここへ来たいですね」。 東京では、3月13日の公開です。
 「ユリ子のアロマ」 から、まだ32歳の吉田監督。 匂いフェチの女性を主人公にした映画です。 個性派・江口のり子主演。 「パンドラの匣」 の染谷将太が共演しています。

 金子修介監督が舞台に。 昨夏の 『湯布院映画祭』 で0号が試写され、今月下旬に開催される 『ゆうばりファンタ』 にも出品している 「ばかもの」 の宣伝です。 監督 「公開時期が微妙で。 5月の予定だったんですが、7月になるかな...? 予告編もチラシも出来ていなくて。 今日は、チラシを200枚だけプリンタで印刷して持って来ました。 後で希望者にはロビーで渡しますので」。 うっ、欲しい!(笑) 監督 「荒井さん(脚本家の荒井晴彦氏)と裁判中の絲山さんの原作です。 僕は、バカな若者が大嫌いなんですけど、何とか愛情をもって描けたかな、と。 内田有紀に翻弄されて、成宮寛貴の人生がおかしくなり...。 10年後、再び彼の前に内田有紀が出現。 悪魔なのか、天使なのか。 そのとき彼女は○○を○○してるんですけどね」。 監督、それを言っちゃダメですって(笑)。 まあ、公開は半年ぐらい先になりそうなので、いま聞いた人たちもそれまで覚えてはいないでしょうが。 監督 「荒井さんには昔からよく批判されてきたけど、この 『ばかもの』 は “ お前の作品の中で一番いいよ ” と。 逆に心配なんですけどね(笑)」。

 最後は、この映画祭の実行委員会も共催として名を連ねている 『ららヨコハマ映画祭』(於:TOHOシネマズららぽーと横浜)から、同シネコンの小林支配人。 4月9日〜11日に開催され、本日上映される3本以外で本映画祭のベストテンに入ったり賞に絡んだ作品などがラインナップに入っています。 最終日の11日(日)には 「ゼブラーマン2」 の公開記念イベントとして、主演の哀川翔さんが来場されるのだとか。

 さて、いよいよ表彰式ですが、準備のため、いったん緞帳が下ろされます。 場つなぎに、緞帳の前の狭い舞台に登場するのは、本映画祭の選考委員(総勢35名)にもなっている4人の映画評論家の面々。 秋本鉄次氏 「競馬に 『ディアドクター』 という馬がいるんですが、偶然今日のレースに出走しまして。 作品賞を獲ってるんで、いけるかなと馬券を買いました。 ダメでした(笑)」。 北川れい子氏 「私たちは前座で、緞帳の後ろでは舞台に花とか準備してますので。 『のんちゃん』、面白かったでしょう?!」。 3人目の方はお顔を存じ上げず、またお名前を聞き漏らしてしまいました。「日本映画が一番どうしようもなかった30年くらい前に、盛り上げようとしてくれたのが、このヨコハマ映画祭。 日本映画が何とか保(も)ってきたのは、この映画祭のお蔭です。 これからも応援して下さい!」(場内拍手)と、とても良い事をおっしゃったのに。 最後は 『ゆうばりファンタ』 のディレクターでもある塩田時敏氏 「2月26日に 『世界ファンタスティック映画祭』 という新書が出ます。 また2月25日からは 『ゆうばりファンタ』 が始まりますので。 『ばかもの』 や 『ユリ子のアロマ』 も上映されますから、良ければおいで下さい」。 そろそろ準備も整ったのか、クロさんがこのコーナーを締めます、「それにしても、今日は2階席まで一杯ですね〜!」。 全員、袖へ。

 期待の高まる中、会場が束の間の静寂に包まれます。 時刻は14時を10分ほど回り、若干遅れ気味。 両サイドの壁際には立ち見客が何人も。 緞帳が上ります━━。

ヨコハマ映画祭レポート'10(4)

 舞台には、横に長く2列にパイプ椅子が並べられています。 もう少し良い椅子にすればいいのにとも思いましたが、ここは、スポンサーや自治体からの支援を受けず、学生や会社員など映画ファンがボランティアで主催する映画祭。 これだけの椅子を揃えるのも簡単なことではなかったでしょう。 昔から使ってきたものなのでしょうか。 いったい何人の、どんな映画人が腰を下ろしたのか。 座席が多少かたくても、文句を言う受賞者など居はしないでしょう。 でも、最初に賞を貰った人は2時間ぐらい座り続けたのですから、正直ちょっと辛かったかも(笑)。 私もこの翌日は、往復7時間の新幹線も含めて椅子に長時間同じ姿勢でいたためお尻が痛くなってしまったのでした。 まあ、受賞者同様、嬉しい痛みです。
 左右の舞台袖に近い床には小さな花かごが幾つも置かれ、右の袖のそばの長机には細長いトロフィーが十幾つ並べられています。 後で分ったのですが、2列に並べられた椅子の後列は、賞を授与される際に渡される賞状や花束を置いておくためのものでした。 受賞者はトロフィーを持っていなければなりませんからね。

 襟川クロさんと、コンビの男性の2人が、再び登場されます。 クロ 「この映画祭、本当にチケットが取りにくいんですよね。 受賞者の皆さんも、“ ヨコハマだから ” ということで来てくれますから」。 開会宣言は高井審査委員長より、「映画ファンのための熱いまつり 『第31回ヨコハマ映画祭』 を開会いたします」(拍手)。

 最初の受賞者は、【新人監督賞】 の鈴木卓爾氏(「私は猫ストーカー」)。 何と、作業着のようなジャンパー姿で左袖から出てこられます。 早速、高井審査委員長が賞状を読み上げ、鈴木監督に。 文面は、高崎映画祭と同様、受賞者一人ひとりに合わせた内容になっています。 続いて、トロフィーを。 花束は、実行委員から渡されます。 監督 「あの〜、すいません、どかジャン(土方ジャンパー?)で来てしまいまして(笑)。 ちょうど今、2作目の撮影中なもので、現場から直行したんです。 43歳なんですけど、今回新人賞を貰い、ああ、まだ新人だったんだなぁ、と(笑)。 これまでの受賞一覧で過去30年分の層の厚みを見て、より嬉しくなりました。 頑張りますので、これからも鈴木の映画を観て下さい。 つまらなかったら、罵倒して下さい」。
 クロ 「 『のんちゃんのり弁』 の打ち上げの司会をしたんですけど、あの映画の脚本を卓さんが書いてるんでそこでお会いしまして、監督しているのを知ったんです。 こういうジャンパー、高倉健さん以来ですよ」。 昔、健さんも、撮影現場からこの表彰式に駆けつけてくれた事があるのです。 監督 「キャメラマンのたむらまさきさんが “ 現場から直接行った方がいいよ ” って」。 クロ 「猫ちゃんたち、どうしてんでしょう?」。 監督 「増えてるみたいですよ。 変わらず、お元気で」。 クロ 「猫ちゃんたちにも、受賞を報告しないと(笑)」。 今回の2作目は、確か女性のシナリオライターと一緒に鈴木氏も脚本を共作しているのだそう。 監督 「 『猫ストーカー』 の時は、黒沢久子さん一人に書いてもらったのですが」。 鈴木監督は、一番右端の席に座られます。

 2人目は、同じく 【新人監督賞】 の大森寿美男氏(「風が強く吹いている」)。 スーツの胸に、花を飾ったリボンをつけて登場されます。 よく見ると、鈴木監督の胸にも。 ジャンパーのインパクトがありすぎて、リボンがよく認識できていませんでした(笑)。 大森監督 「10年くらい前の駆け出しの頃、ここで脚本賞を貰い、何とかこの道で生きていけるのかなぁという感触を掴めた思い出の映画祭。 戻ってこれて、感無量です。 監督するチャンスを与えてくれたスタッフに感謝します」。 クロ 「新人監督が豊作だった2009年。 なぜ、監督を?」。 監督 「脚本は私が書いてたんですけど、なかなか監督が決まらず、メインスタッフが先に決まったんです。 で、箱根駅伝を取材に行き、温泉に入ったりしている内、突然スタッフから “ 脚本を書いたお前がした方がいいよ ” と。 そういう風に言ってもらえたので、幸福ななり方でした。いじめも、なく」。 クロ 「鈴木さん、いじめってありました?」。 ないない、と慌てて手を振る右端席の鈴木監督でした(笑)。 クロ 「林遣都くん始め、よくあれだけの顔ぶれがあれだけ走れるようになりましたね」。 監督 「役者たちは、走り込む内、ああいう空気になっていったんです」。

「風が強く吹いている」 は 【審査員特別賞】 も受賞。 鈴木プロデューサーが受け取られます。 確か2003年の湯布院映画祭にゲストとして来場された方。 鈴木P 「ありがとうございます。 30年ぐらい前、『の・ようなもの』(森田芳光監督)で賞を貰いました。 その1本で止めようと思ったのに、こんなに長く。 今日また頂戴して、もう少し続けていこうかな、と。 大変な撮影をこなしたスタッフ、キャストに感謝します」。 撮影の苦労を訊かれ、「公道が止められない。 エキストラがとんでもない数。 通行止めすると、時間が限られる。 もう、2度とやりません(笑)。 奇跡のようでした。 毎日、その日の撮影が終ると、ボ〜ッとしてました」。

 さあ、お待ち兼ねの 【新人賞】 です━━。  

ヨコハマ映画祭レポート'10(5)

 1人目は、「美代子阿佐ヶ谷気分」 の町田マリーさん。 地方では、ほとんど上映されなかった作品。 “ 観たい!” です。 ちょっとチマチョゴリ風のデザインの衣装(裾は膝丈ぐらい)で、髪には白っぽい飾り。 町田 「町田マリーです。 今日は、ありがとうございます。 普段は舞台に出ているのですが、今回、映画で賞を貰い、とても嬉しいです。 しかも、すごく好きな役なので、二重の喜びです。 客席にスタッフが多く来てくれていまして。 え〜・・・・」。 言葉が出てこなくて3〜4秒間が空くと、客席から 「頑張れ〜っ!」 の声。恐らく映画のスタッフからの。 町田 「みんなの元に、賞を持って帰れるのが嬉しいです!」
 さっき場つなぎのトークで舞台に立った映画評論家の秋本氏が登場、「どんぴしゃストライクのファンでして(笑)。 こうして町田さんと一緒に空気を吸えるだけで、幸せです。 彼女は多面的な女優なんですよね。 注目の映画 『イエローキッド』 や、ドラマの 『泣かないと決めた日』 にも出演しているし。 油断できない女優。 『美代子阿佐ヶ谷気分』 ではいさぎよく脱いでくれ、“ 観音様、観音様!” と手を合わせました(笑)」。 町田 「メイクさんが、いいクリームを体に塗ってくれたんですね。 服は着てないけど、“ クリームを身につけてるよ ” と自分に言い聞かせて、やりました。 実は今日、母が見に来てくれてるんです。 毎朝早くにお弁当を作ってくれたりしてまして。 ありがとう、お母さん!」。 「お母さん、どちらにいらっしゃいます?」 とクロさんに尋ねられ、お母さんだけでなく、お父さん、そしてお祖母さんの3人が起立されます。 受賞者に送られる以上の、大きな拍手。

 岡田将生くんは、黒っぽいスーツに、もじゃもじゃヘアー。 身長が高いし、あのルックスなので、何を着ても似合います。 どんな髪型でも。 客席から3人ぐらいの女性が舞台下に駆け寄り、花束を差し出します。 ちゃんと受け取る岡田くん。 こういう事をしても良い映画祭なんですね。 岡田 「岡田将生です」。そのひと言だけで、場内から拍手。 岡田 「温かい映画祭に呼んでいただき、賞を貰えて、光栄です。 また呼んでもらえるよう頑張ります」。 クロ 「昨年は何本もの映画に出演されましたが、どのキャラクターが自分に近かったですか?」。 岡田 「う〜ん、あまり似ていないかな」。 クロ 「自己分析すると、どんな人間なんだろ」。 岡田 「ぼ〜っとしている。 子供の頃は攻撃的だったんですけどね。 だんだん大人になってきて、変わりました。 この間、新横浜のラーメン博物館に行きました」。 クロ 「1杯だけってこと、ないでしょ?」。 岡田 「2杯食べました(笑)。 自分では肉食と思ってるんですけど、草食に見られがちで」。 クロ 「 『天然コケッコー』 のころ初めてお会いして。 あの子が、こんな風になったんだ!」。 岡田 「今日は誰も来てないんですけど、次の機会には僕も家族を呼びたいです」。

 【新人賞】 の最後、3人目は、昨夏の湯布院映画祭でお話した 「愛のむきだし」 等の満島ひかりちゃん。 何と、肩や腕を露出し、胸のすぐ上までむきだしにした、大胆なミニの衣裳! もちろん、双眼鏡の出動です(笑)。 この時すぐには分らなかったのですが、後で、肌を露出しているかと思われた部分は、女子フィギュアの選手の衣裳に使われているような肌色の薄い生地で覆われているのに気がついたのでした。「参考」
 花束贈呈は、「プライド」 の金子修介監督から。 『湯布院』 に続いて、ここでもこのコンビが見られるとは思ってもいませんでした。 満島 「初めまして、満島ひかりです。 とても嬉しく思っています。 何を喋ったら良いのか....。 とても緊張してまして、嬉しいという感想しかありません。 堺さんやサクラちゃんといった同じ映画に出演している人たちが一緒に受賞したので、余計うれしいです」。 クロ 「売れっ子ですね〜」。 満島 「そんな事ないです。 予定していた時期がずれたりして、昨年はこれだけの作品がまとめて公開されたんですけど。 うまくいきすぎましたね(笑)」。 クロ 「 『プライド』 も 『むきだし』 も凄い役でした」。 満島 「イヤな役が好きかも。 演じていると、スカッとするので」。 金子 「 『モスラ2』 に出たのを覚えていて、『デスノート』 に出演してもらい、『プライド』 へと」。 満島 「これまで色々な映画に出てたので、普通だと新人賞に当らないのかもしれませんが、パンフレットを読んでいたら、どなたかが “ 活躍が新人だった ” って書かれてて、あ、そうなんだ、と」。 「本当に緊張してて」 を2度、3度と繰り返すひかりちゃんでしたが、初々しくて、良かったです。

 【助演賞】 に移りましょう━━。
 

ヨコハマ映画祭レポート'10(6)

 【助演女優賞】 は、「愛のむきだし」 等の安藤サクラちゃん。 彼女も、昨夏の湯布院映画祭にゲストとして来てくれました。 あの時は、カジュアルでちょっとユニークなファッションでしたが、今日はかなりフォーマルな装い。 白のブラウスに、黒のパンツルックです。 肩ぐらいまでのストレート・ヘアー。 『湯布院』 でも “ 綺麗になったな〜 ” と驚いたものですが、双眼鏡越しの2010年の彼女は、またワンランクアップした感じがします。 安藤 「はじめまして、安藤サクラと申します。 この賞は、正直すごく戸惑っていて、恐ろしくて逃げ出したいぐらいだったんです。 でも、表彰状の文を聞いていて、ありがたく光栄で、すごく嬉しく思えるようになりました。 まだお子ちゃまで、未熟者なのに。 もう、悪いこと出来ないな、と。 健康第一で精進していきます。 スタッフや監督など、皆さんのお蔭です。 ありがとうございました!」。 クロ 「この舞台、2度目なんですよね。 奥田さん(父親の奥田瑛二氏)が第16回で主演男優賞を受賞した時、小さいサクラちゃんが、お姉さんのモモ子ちゃんと花束を贈呈する役で来てくれたんですよね」。 安藤 「トロフィーに私の名前が彫ってある〜!! 賞の意味がようやく分ってきたみたい。 死ぬ時には、柩に入れないと(笑)」。 満島ひかりちゃんの隣りに着席します。 「愛のむきだし」 を始め、2人は色んな映画で共演しているので、表彰式の間も時々笑顔で会話していました。 お互いにとって、ベストの席順だったでしょう。

 【助演男優賞】 の1人目。 「のんちゃんのり弁」 で小巻から椅子を投げつけられたダメ亭主役がこの人、岡田義徳さん。 「おと・な・り」 も変な役でした。 こういうタイプの演技で受賞するのも、珍しいのでは。 それだけインパクトがあったということでしょう。 異論はありません。 ただ、これから、こういう役ばかりが来ないかと、ちょっと心配(笑)。 一応スーツ姿ですが、ズボンの裾が、ゴムの入ったジャージみたいな感じになっており、役に合わせたような “ よ〜く見ると、ちょっと変 ” なファッションでした。 岡田 「光栄に思います。 こういう場は苦手で。 どう楽しく持っていこうかと・・・。 まあ、緊張して当然の場なので、そのままいきたいです。 この世界に入ってもう17年なんですが、たくさんの作品に出演させてもらいました。 そのお蔭です。 持てる力の120%、200%を出そうという姿勢で臨んできました。 これからも、そうしていきたいです」。 クロさんから、受賞対象となった3作品についてひと言ずつコメントを求められ、「 『のんちゃん』 の役はかなりリアルだと思います。 自分も欠落人間なので。 監督にも “ 岡田は本当にダメだな ” と何度も言われました。 『重力ピエロ』 は、出番が少しだけだったので、大切に演じました。 『おと・な・り』 は、二重人間。 二面性は誰でも持っているので、逆にやり易かったかもしれませんね」。 クロ 「演じる上でのポリシーは?」。 岡田 「手法は違っても、芝居をするという芯はブレないようにしています」。 

 もうお一方は、「ディア・ドクター」 の松重豊さん。 長身の彼は、どっしりとした存在感で、袖からご登場。 落ち着いたスーツ姿です。 松重 「最初にどよめいたのは、身長?(笑) 実尺は、これぐらいあるんですよ(笑)。 参加できただけでも嬉しかった 『ディア・ドクター』。 周りから “ 良かったねぇ ” と言われ、皆が受賞し、とうとうボクの所にも転がり込んできた。 出演できただけで光栄だったのに。 実は、住んでるの、川崎なんですよ。 横浜市まで100メートルぐらいの所」。 クロ 「変キャラ、多いですよね」。 松重 「変キャラしか来ないです(笑)」。 クロ 「このままでいいじゃないですか。 こうやってお会いすると、本当にいいお兄さん。 ラブストーリーも、いけるんじゃないですか?」。 松重 「フルヌードでも何でも、やります(笑)」。  

ヨコハマ映画祭レポート'10(7)

 【特別大賞】の八千草薫さんが、淡い青色のしっとりとしたお着物姿で袖から出てこられます。 満場の大拍手!! 自然と背筋が伸びる気がします。 八千草 「横浜の皆さん、今日はありがとうございます。 私は、映画に出だしたのが20代の頃で、それから少し遠ざかった時期があったのですが、またぽつぽつ出るようになって。 昨年はたまたま3本(「ディア・ドクター」 「ガマの油」 「引き出しの中のラブレター」)まとまって公開されたんですが、ちょっと頑張ってみました。 鶴瓶さんと共演していると、とっても自然な芝居をなさるので、やりやすかったです。 今日はこんな素敵な賞を頂いて、本当に嬉しいです。 ありがとうございました」。 クロ 「いつもこのコーナー(特別大賞)になると、会場が締まるんです。 ずっと長い間映画界を引っ張ってきてくれて、今も頑張ってくれている方においで頂くので。 これまで一杯トロフィーを貰われたと思うんですが、どうなさってらっしゃるんですか?」。 八千草 「しばらく飾って、同じ所にしまいます」。 クロ 「これも、2年くらい? 1年?(笑)」。 八千草 「そうですね(苦笑)」。 クロ 「もう1回やりたいぐらいの役ってあります?」。 八千草 「“ これ ” って言えないけど・・・・、『宮本武蔵』 のお通かな。 その時はそうでもなかったのですが、皆さんから “ お通! お通! ” と言われるので、そう思うように。 『ディア・ドクター』 もとっても自然な気持ちでやれ、この先、懐かしい思い出になってくれそうです」。 松重さんの笑顔に迎えられ、お隣りに腰を下ろされます。 “ 八千草さんが出演されているなら、観に行こう!”、そう思っている映画ファンは、きっと多い筈。 もちろん、私だって。 【助演女優賞】 部門では、惜しくも次点。 他の複数の映画賞では、見事ウイナーに。 今度は、演技賞を受賞して、またこの舞台に立って頂きたいものです。

 【主演女優賞】 は、「のんちゃんのり弁」 の小西真奈美さんです。 これまた、さくら色のお着物で華やかに出てこられます。 髪はアップに。 彼女がヒロインを務める今秋公開予定の 「行きずりの街」 の阪本順治監督から花束が贈呈されます。 小西 「こんにちは、小西真奈美です。 こんなに素晴らしい賞を貰えて、嬉しいです。 知らせを聞いて、本当に嬉しくて! 今日は、自前の着物で来ました。 緒方監督と岡田さんと3人で受賞できて、胸が一杯です。 これからも、日々精進していきます」。
 阪本 「 『のんちゃん』 を観て、『行きずりの街』 にキャスティングさせてもらいました」。 小西 「阪本監督とは、ずっとやりたかったんです!」。 阪本 「西麻布のバーのママ役。 弁当屋が成功したんだろうなって(笑)」。 小西 「 『のんちゃん』 は、観てくれた方が “ 面白かったです!” って言ってきてくれて。 お母さま世代や男性にも共感してもらえました。 映画って、人を元気にする力があるんです。 また、ここに来させてもらうよう頑張ります!」。「参考」

 【主演男優賞】 は、大好きな映画 「ゴールデンスランバー」 が現在公開中の堺雅人(「クヒオ大佐」 「南極料理人」)さん。 黒っぽいスーツに、白シャツ・ネクタイ姿なのが、彼らしいというか。 「クヒオ大佐」 の吉田大八監督が駆けつけてくれ、花束贈呈役を。 客席の女性ファン3〜4人も、舞台下から差し出します。 堺 「こんにちは、堺です(拍手)。 演技に精一杯で、映画が皆様の元にどう届いているかまで気が回っていませんでした。 映画祭も、どんなものがあるのか知らず、このヨコハマ映画祭の過去の受賞者一覧を見て、すごいものを貰ったなと、ひしひしと感じています。 ここにおられる本当の映画ファンの皆様にどう届くかと思うと、これからは現場でもより背筋が伸びる気がします」。 クロ 「今日も、いつもの笑顔なんですね(笑)」。 吉田監督 「 『クヒオ大佐』 では色んな堺さんを撮りたかったんですね。 トータルで色んな表情を見せてくれそうだなと思って、オファーしました」。 堺 「 『南極料理人』 では、隊員の人たちに支えられ、その間をスルスルと抜けていったような印象を持っています。 『クヒオ大佐』 では、だまされた女たちの間をすり抜けていったような」。 同作で共演した、受賞者席の満島ひかりちゃんと安藤サクラちゃんの方に顔を向け、会釈する堺さんなのでした。

ヨコハマ映画祭レポート'10(8)

 【脚本賞】は、「ディア・ドクター」 の西川美和監督に。 黒っぽい、程ほどに若々しい服装の彼女は、小柄で、とてもチャーミングな笑顔。 西川 「西川美和です。 デビュー作で新人監督賞を貰い、2作目の 『ゆれる』 でもご縁があり、毎回呼んでもらっています。 何にもない時から温かく見守ってくれているこの映画祭は、何か他とは違うなと感じています。 批評がパンフレットに載っており、作品を見直す良いきっかけにもなっています。 執筆中は孤独な作業で、先の見えない砂漠を歩いているような気分に襲われて・・・。 そんな中、ふと、この映画祭のパンフレットを手にする機会があり、新作を待っていてくれる人たちがいるのかな、と勇気を貰って、書き上げることが出来ました。 『ディア・ドクター』 は、スタッフ・キャストに恵まれ、素晴らしい作品になりました。 柳島さんが撮影賞を受賞したのが、とても嬉しいです。 皆さんの前に帰って来られて、何よりだと思っています。 これからも応援よろしくお願いします」。 クロ 「受賞ラッシュですね。 試写の時から、“ 決まりだな ” と、みんな言ってました。 トロフィー、多すぎるのでは」。 西川 「実家に送っています」。 クロ 「撮影に入ると、猪突猛進みたいですね。 ですよね?」と、同意を求めるように八千草さん、松重さんの方を振り向きます(笑)。 西川 「自分の意図したものとは違うが、より良いものが出来た、いい現場でした。 作品賞は、みんなで取った感じで嬉しいのですが、監督賞は、下駄を履かせてもらってるような居心地の悪さがあって。 スタッフに支えられている部分が大きく、私ひとりの力じゃないのに。 その点、脚本賞は個人賞なので、素直に嬉しいです。 最終的にはパソコンで仕上げますが、ネタ帳からまず手書きでまとめていくやり方を取っています」。

 西川監督の話でも触れられた 【撮影賞】 は、「ディア・ドクター」 の柳島克己キャメラマン。 袖から出てきた氏に、「ヤナさん!」 の掛け声。 西川組のスタッフが何人か来ているのでしょう。 柳島 「西川監督の凄さに引きずられながら撮影してました。 俳優さんたちの自然な感じが上手く撮れたのではないかと思います」。

 【監督賞】 は、「のんちゃんのり弁」 の緒方明監督へ。 阪本監督と同じく、私が初参加した2000年の湯布院映画祭で長編デビュー作の 「独立少年合唱団」 が上映され、ゲストで来てくれた方。 次回作では、久々に 『湯布院』 へおいで頂けると嬉しいのですが。 緒方 「え〜、ここは特別な思い入れのある映画祭で、30年前に 『狂い咲きサンダーロード』 で石井組(石井聰亙監督)にいた時、自主製作映画賞を貰って、当時の会場だった鶴見の 『京浜映画劇場』 について行ったものです。 主演女優賞の薬師丸ひろ子と新人賞の荻野目慶子にサインを貰ったりなど(笑)。 2000年に 『独立少年合唱団』 で新人監督賞を受賞させてもらいました。 あの時は、『顔』 が作品賞を獲り、阪本監督が監督賞も。 30年前、阪本さんは、ここのスタッフだったんですよね。 『いつか読書する日』 では、田中裕子さんや岸部さんが受賞し、脚本賞も貰ったのですが、私だけ除け者。 今回は、小西さんや岡田くん、それから共同脚本の鈴木さん(新人監督賞の鈴木卓爾氏)と一緒にこの舞台に立てたので、大変嬉しいです。 困難な思いをいやというほど味わったので、尚更。 30年もやってると、色んな人が向こうの世界に行ってしまい・・・。 昨年、『狂い咲きサンダーロード』 の山田辰夫さん(「おくりびと」等)も逝ってしまわれ・・・。 岸部さんが、“ これからは、私が山田さんの代わりになります ” と言ってくれたんです。 とにかく、小西さんの受賞が一番嬉しい! 小西さんのために作りましたから」。 新作は、フランス映画の名作のリメイクとなる 「死刑台のエレベーター」。 もう完成しているのだそう。 公開は、今年の秋を予定。 寡作の緒方監督にしては、2年連続で作品が公開されるとは、凄い。 今後は、これぐらいのペースで発表していってもらいたいものです。 緒方 「この辺りでもロケハンしたんです。 横浜が舞台なもので。 映画祭の事を思いながら、撮ってました」。

 尚、金子修介監督のブログに、この日の事がアップされていますので、ご紹介しておきます。  

ヨコハマ映画祭レポート'10(9)

  まず、新人監督賞の鈴木卓爾氏が現在撮影しているという2作目が 「ゲゲゲの女房」 だと報じられましたので、お知らせしておきます。 「参考」

 さて、最後に控えるのは 【作品賞】。 受賞したのは、「ディア・ドクター」 です。 西川美和監督は、「蛇イチゴ」(03)で新人監督賞を受賞して以来、「ゆれる」(06)でも作品賞など4冠に輝き、今回は、作品賞、脚本賞(西川美和)、撮影賞(柳島克己)、助演男優賞(松重豊)、特別大賞(八千草薫)の5冠! 他の映画賞も数多く受賞していますし、2009年は 「ディア・ドクター」 の年だったと言って良いでしょう。 加藤プロデューサーに授与されます。 この方は確か、2003年の湯布院映画祭に、試写作品 「ジャンプ」 のプロデューサーとしてゲストで来場された方。 同作も、そして過去のプロデュース作品にも好きなものが多かったので、パーティーでお話させてもらった思い出が。 加藤 「大変素晴らしい賞を頂き、感謝に堪えません。 審査員の皆様、ヨコハマ映画祭を愛しておられるファンの皆様に、お礼申し上げます。 昨年3月に急逝した、『ディア・ドクター』 の企画者・安田さんの墓前にも報告します。 ご褒美を、本当にありがとうございます。 西川監督の物語をこしらえる力と、支えてくれたスタッフの力です。 100人、200人単位の人々が身を粉にして頑張ってくれましたから。 でも、だからといって、必ず成功に結びつく保証などないのが、映画作りの面白い所かもしれません」。

※ほとんどの受賞者の写真が、こちらの記事の下方に掲載されていますので、良ければご参照下さい。

 これで、表彰式は全て終わりました。 クロ 「全員出席。 パーフェクト!」。 昨年3月に初参加した高崎映画祭でもそうでしたから、つい当たり前のように感じていましたが、すごく嬉しい事だと認識しておかなければいけないのでしょうね。
 マスコミ向けのフォトセッションに移ります。 時刻は、もう16時過ぎ。 予定だと、15時55分から 「風が強く吹いている」 の上映が始まっていなければならないのに(笑)。 私は、次のイベントが控えているので、すぐ退出できるように席を立ち、最後列の後ろのスペースへ移動。 舞台となった地で、そしてこの雰囲気の中で、既に2回観ている大好きな映画 「風が〜」 をもう1度堪能したいところなのですが・・・。 受賞者の方々が、客席にいるカメラマンたちの 「こちら、お願いしま〜す!」 とかの声に合わせて体の向きを変えるのを見物します。 2〜3分で終了。 最後に、受賞者全員に客席から大きな拍手を送り、皆さんが袖に入っていかれるところまで見て、ドアを開けロビーへと。

 階段を降り、受付の横を通って、正面玄関から外へ。 「ばかもの」 のチラシは、まだ配布する準備が出来ていなかったのか出入口辺りのテーブルにも置かれていなかったし、係員に尋ねる時間もなかったため貰えませんでした。 表彰式の終了を15時45分頃と見込んでいたので、20分以上の遅れ。 小走りに、関内駅へと急ぎます。 実は、東京は銀座にあるブロッサム・中央会館へ向かうのです。 満島ひかりちゃんや、西川美和監督たちと同じく━━。
              (この項終り。 キネ旬表彰式レポへと続きます)                                      (終)